こんにちは。kakukakuです。
この暑さをどうやって吹き飛ばすか、
みなさんいろいろ工夫されていることでしょう。
私は先日、粋な落語で暑気払いをしてきました。
一昨年、文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞された
広島出身の噺家、古今亭菊丸師匠の広島寄席です。
1990年の真打昇進を機に、
地元広島ではじまったという菊丸師匠の独演会。
この日の演目は「たがや」と「佃祭」でした。
「たがや」は、両国の川開きの日に行われていた、
花火大会を題材にしたテンポのいい話です。
「佃祭」は、夏祭りで賑わう佃島を舞台にした人情話で、
「情けは人の為ならず」という諺がテーマになっています。
どちらも夏らしい風情のある落語で、
上質な一人芝居のような語り口にぐいぐい引き込まれ、
私もすっかり江戸っ子になった気分。
浴衣でも着ていれば、さらに江戸の暮らしを追体験できたでしょうね。
ちなみに、「情けは人の為ならず」という諺は、
間違えて解釈している人が多いようですね。
「情けをかけることは、その人のためにならない。
だから、むやみに情けをかけてはいけない」という勘違いです。
本来の意味は、「人に情けをかけると、めぐりめぐって自分にかえって来る。
だから、誰にでも親切にしなさい」ということ。
とは言っても、最初から見かえりを期待してかけた情けは、
かえって来ないような気もするのですが・・・。
落語の「佃祭」の登場人物も、
情けをかけたことすら忘れていたころに、
その情けが縁で命を助けられるのですからね。
粋でいなせな江戸落語に、情けのかけ方を教えられた夜でした。